
東京都大田区田園調布1-61-10
TEL.03-6459-7555
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:00-18:30 | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※月曜はカフェのテイクアウト営業のみ
休診日:月曜 ※日・祝日診療可 ※完全予約制
こんにちは。ヒフカフェ獣医師の小林です。
今回はミニチュア・ダックスフンドに多い病気について解説したいと思います。
この犬種の特徴は胴長短足で垂れ耳ですので、それに起因した疾患が多いです。
ダックスフンドを語る上で避けて通れないのが椎間板ヘルニアです。軟骨異栄養症といわれる遺伝的素因を持ち、若齢(3〜6歳頃)でも発症するリスクがあります。
・症状: 抱き上げたときにキャンと鳴く、散歩を嫌がる、足を引きずる、重症化すると後ろ足が麻痺して排尿ができなくなります。
・対策: 肥満防止が第一です。また、階段の昇り降りやソファからの飛び降りを制限し、滑りやすいフローリングにはマットを敷くなどの環境整備が欠かせません。
垂れ耳の構造上、耳道の通気性が悪く、細菌やマラセチアが繁殖しやすい傾向にあります。
・症状: 耳を頻繁に振る、足で耳を掻く、耳から独特の臭いがする、黒っぽい耳垢が出る。
・対策: 定期的な耳掃除が基本ですが、綿棒で奥まで擦るのは逆効果です。洗浄液を用いて優しく汚れを浮かす方法を推奨します。赤みがある場合は、早期の受診が必要です。
皮膚がデリケートな個体が多く、アレルギー性皮膚炎や膿皮症に悩まされるケースが多々見受けられます。
・症状: 腹部や足の付け根の赤み、フケ、体臭が強くなる、体を舐め続ける。
・対策: 適切なシャンプー療法と保湿が重要です。特に、皮膚のバリア機能を維持するためのセラミド配合の保湿剤は、臨床現場でも非常に有効だと感じています。
遺伝性の眼疾患で、網膜が徐々に萎縮し、最終的に失明に至る病気です。
・症状: 夜間の散歩で物にぶつかるようになる、瞳孔が常に開いているように見える。
・対策: 有効な治療法は確立されていませんが、遺伝子検査によってリスクを知ることが可能です。発症した場合は、家具の配置を変えないなどの生活環境の配慮が必要になります。
ミニチュアダックスフンドに多い病気は体重管理が大事です。役立つ情報になっていれば嬉しいです。
皮膚と耳専門 ヒフカフェ動物病院
獣医師 小林真也
こんにちは!
ヒフカフェ動物病院の獣医師の小林です。
今回は当院でも来院数が多く、人気犬種でもあるフレンチブルドックについて解説します。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
飼い主様が一番気になる疾患だと思います。
鼻ぺちゃな犬種は以下のような疾患を持っています。
・軟口蓋過長症:口の奥の軟らかいヒダが長く、空気の通り道を塞いでしまう状態。
・鼻腔狭窄:鼻の穴が狭く、鼻呼吸がしにくい状態。
【チェックポイント】
「ガチョウのような鳴き声で呼吸する」「いびきがひどい」などのサインがあれば要注意です。最悪のケースは呼吸困難になることもあります。外科的な処置(鼻の穴を広げる、軟口蓋を切除するなど)を検討することも必要です。
フレンチブルドックはアレルギー疾患の好発犬種ですので、アレルギーに起因した皮膚炎や外耳炎を起こすことが非常に多いです。また皮膚バリア機能の低下から、膿皮症が出ることも。
シワが多い犬種ですので、間擦疹といってシワの中に細菌やマラセチアが増殖する皮膚炎にも注意が必要です。
【チェックポイント】
顔のシワはこまめに拭いてあげることは大切ですが、拭きすぎ(刺激の与えすぎ)にも注意しましょう。皮膚がデリケートな犬種ですので、体質に合った低刺激シャンプーや療法食の選択も重要です。
背骨(脊椎)には先天的な変形を持っている子が多く、椎間板ヘルニアのリスクが非常に高い犬種です。
【チェックポイント】
・体重管理
・段差の解消
・床の滑り止め
なるべく腰に負担がかからないような対策をしてあげましょう。
目が大きいので、外傷や乾燥が起こりやすく目のトラブルには注意が必要です。
角膜に穴があいてしまうと、最悪は失明することもあります。
【チェックポイント】
充血やしょぼつき、擦るような仕草は要注意です。
動物は体温を下げるための発汗作用はありません。代わりに呼吸で体温調節しています。
呼吸が上手にできない犬種は、熱中症のリスクが格段と上がりますので、要注意です!!
【チェックポイント】
・夏場の散歩は「早朝」か「日没後しっかり時間が経ってから」
・室内ではエアコンを24時間稼働(22〜25度前後が目安)
・「少し暑いかな?」と感じるレベルが、フレブルにとっては「限界」であることを忘れないように
フレンチブルドックのような短頭種は、いろいろと苦手なことが多い犬種ですので、飼い主さまが愛犬のことを理解し、対策していくことが大事です!
皮膚と耳専門 ヒフカフェ動物病院
獣医師 小林真也
トイ・プードルは非常に活発でジャンプや走ることが大好きですが、その細い足には大きな負担がかかりやすい構造をしています。
・膝蓋骨脱臼症(パテラ)
トイ・プードルで最も頻繁に見られるのは「膝蓋骨脱臼症」です。後ろ足の膝のお皿が外れてしまう状態を指します。
【グレード1】初期のサイン:時々足を浮かせる
・指で押すと膝のお皿が外れますが、すぐに自然と元の位置に戻ります。
【グレード2】進行の兆候:スキップが増える
・膝を曲げた際に膝のお皿が外れ、手で戻さないと戻らないこともあります。
【グレード3】慢性的な脱臼:内股歩きに
・膝のお皿が常に外れた状態にな•り、手で戻してもすぐにまた外れてしまいます。
【グレード4】重度の状態:歩行困難
・膝のお皿が常に外れており、手で戻すこともできません。骨の変形も進んでいる状態です。
※予防対策としては、フローリングに滑り止めのマットを敷く、ソファやベッドへの上り下りにスロープを設置する、そして適切な体重管理で膝への負担を減らすことが極めて重要です。
・骨折
トイ・プードルの前足の骨(橈骨・尺骨)は、割り箸ほどの細さしかないこともあります。そのため、「ソファから飛び降りた」「抱っこから滑り落ちた」といった、人間から見れば些細な衝撃でも簡単に骨折してしまいます。特に成長期の仔犬は骨が未発達なため、細心の注意が必要です。
トイ・プードルの特徴である「カールした被毛」と「垂れ耳」は、トラブルの火種にもなりやすい部分です。
・外耳炎
垂れ耳で耳の中にも毛が密集しているトイ・プードルは、耳の中の通気性が悪く、湿気がこもりやすい傾向にあり、細菌やマラセチアが繁殖し、外耳炎を引き起こすことがあります。「耳を頻繁に振る」「耳を壁や床にこすりつける」「耳から独特のニオイがする」といった兆候があれば、早めに受診しましょう。アレルギー体質も多い犬種なので外耳炎は要注意です!!
・進行性網膜萎縮症(PRA)
トイ・プードルで注意したい遺伝性疾患の一つが「進行性網膜萎縮症(PRA)」です。これは網膜が徐々に萎縮し、最終的には失明に至る病気です。初期症状として「夜盲症(暗い場所で見えにくくなる)」が現れます。「夜の散歩を嫌がるようになった」「暗い部屋で家具にぶつかる」といった変化は、単なる老化ではなく、この病気のサインかもしれません。残念ながら現在の獣医療では完治させる治療法はありませんが、早期に発見し、サプリメントなどで進行を遅らせたり、環境を整えてあげたりすることが可能です。
年齢を重ねるにつれて、ホルモンバランスの乱れや内臓のトラブルも増えてきます。
・クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
副腎から「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌される病気です。7歳以上のシニア期に多く見られます。
•多飲多尿: 水を飲む量が増え、おしっこの回数や量も増える。
•食欲の異常な増加: いつも以上にご飯を催促する。
•皮膚の変化: 毛が薄くなる、皮膚が薄くなって血管が透けて見える。
•お腹の膨らみ: 筋肉が落ちてお腹だけがポッコリと出てくる。
これらの症状は「年を取ったせいかな?」と見過ごされがちですが、放置すると糖尿病や感染症などの合併症を引き起こすため、血液検査による早期発見が欠かせません。
・気管虚脱
空気を送る「気管」が潰れてしまい、呼吸が苦しくなる病気です。興奮したときや水を飲んだときに「ガチョウの鳴き声」のような「カッカッ」という乾いた咳をするのが特徴です。
肥満は症状を悪化させる最大の要因です。また、首輪による圧迫も気管に負担をかけるため、お散歩の際はハーネス(胴輪)を使用することをお勧めします。
トイ・プードルは非常に我慢強い性格の子が多く、痛みや違和感を隠してしまうことがあります。だからこそ、一番近くにいる飼い主様の「観察眼」が最大の武器になります。
毎日のスキンシップを通じて、撫でながら体に「しこり」がないか、触ると嫌がる場所がないかを確認しましょう。また、散歩中や家の中で、歩き方に違和感(スキップ、足を引きずるなど)がないか、後ろから観察する習慣をつけることも大切です。さらに、定期的な健康診断は非常に重要です。1歳を過ぎたら年に1回、シニア期(7歳〜)に入ったら半年に1回の健康診断を推奨します。血液検査だけでなく、レントゲンやエコー検査を組み合わせることで、外見からは分からない異常を早期に見つけることができます。何よりも「いつもと違う」という直感を大切にすることが、早期発見に繋がります。
トイ・プードルに多い病気を知ることは、決して「怖がること」ではありません。むしろ、リスクを正しく理解することで、適切な予防策を講じ、異変にいち早く気づいてあげられるようになります。
「いつもと何かが違う」「なんとなく元気がない」という飼い主様の直感は、時に高度な検査機器よりも正確です。少しでも気になることがあれば、「これくらいで病院に行くのは……」とためらわずに、お気軽にご相談ください。
皮膚・耳専門 ヒフカフェ動物病院
獣医師 小林真也