大田区、目黒区、世田谷区、川崎市エリアの皮膚と耳専門の動物病院です。カフェトリミングサロンを併設しています

東京都大田区田園調布1-61-10

TEL.03-6459-7555

診療時間
10:00-19:00 - -

※月曜・金曜はカフェのテイクアウト営業のみ
休診日:月曜・金曜  ※日・祝日診療可 ※完全予約制

皮膚科症例

AlopeciaX ( 脱毛症X )

こんにちは。まだまだ暑いですね!☀️

ワンちゃん達もサマーカットが多いです。

さて、この体の部分の毛をかなり短くしてしまうサマーカット。

秋になっても毛が伸びてこない!😧なんてことが時々あります。

これは毛の生える周期が止まってしまってしまうために起きる一種の皮膚病なのです。

よく知られているのがポメラニアンやトイプードルに多いAlopeciaXと呼ばれる病気。

Alopeciaは脱毛症という意味。

この病気がまだ十分解明されていないことからXという呼び名が付きました。

他にも偽クッシング毛刈り後脱毛などの呼び名があります。

副腎ホルモンや性ホルモンのアンバランスが原因ではないかと考えられてきました。

また近年では栄養学的な問題が根底にあるのではないかという説も提唱されています。

📍どんな病気?

毛を刈った後伸びてこない

何となくだんだん毛が薄くなる(抜けていってしまう)

などが特徴で、発疹や痒みは通常ありません。

ポメラニアンサモイエドキースホンドなどの北方長毛犬種に多いですが、他のどの犬種でも発症がみられます。

最終的には顔や手足以外の毛がほとんど抜けてしまいます。

治療前の様子です😟

📍どんな検査をするの?

脱毛症には内分泌疾患(ホルモン性脱毛症)、季節性薬物腫瘍性などいくつもの原因が考えられますので、病歴血液検査超音波検査などから他の病気を除外していきます。

脱毛部位の状態を把握するために皮膚生検といって、局所麻酔で特殊な器具を使って、皮膚を少しだけ切除する病理検査(皮膚の切片を作り顕微鏡で観察する検査方法。通常、検体を送付して病理の専門家にみてもらいます。)を行う場合もあります。

📍どんな治療をするの?

栄養学的な面からの見直し、栄養学的な見地からのサプリメントホルモン調整剤としてのサプリメント、ビタミン剤などから治療をスタートすることが多いです。

それでも生えない場合は副腎のホルモン産生を抑制する薬剤や、性ホルモン剤などを用いる場合もあります。

不妊手術をしていないワンちゃんでは不妊手術を行うことで発毛を促せることが多くあります。

最近ではマイクロニードル(1.5mmから2.5mmの細い針が生えたブラシのような器具)を用いて鎮静下で処置することが有効だったという報告がいくつかあり、ヒフカフェでも導入を開始しました。

治療後の様子です😀

🌻またヒフカフェのトリミングで使っているウルトラファインバブルの炭酸水薬浴も毛穴の洗浄効果と血行を良くする効果が期待できるので、併用をお薦めしています!

文責:水曜日・木曜日午前中担当;山本真紀子

 

マラセチア皮膚炎

皆さんこんにちは。

梅雨です!
梅雨はワンちゃん達の皮膚にとってはあまり良い季節ではありませんね!
以前に書いた膿皮症も増えますし、お家のカビに反応してしまうアトピー性皮膚炎の子にも嫌な季節ですよね。。

アトピー性皮膚炎や食事アレルギーの子や、体質的に脂漏症(脂っぽくなりやすい)の皮膚を持っている子たちにはもう一つ、この季節に悪化をもたらす原因菌があります。

それが今日ご紹介する” マラセチア ” です。

( マラセチアって何? )

マラセチアは酵母菌です。すなわちイーストです。

えっ?酵母?イースト?それってパンとか作るやつじゃないの?!

と言われるのですが、酵母菌には何百という種類があって、そのうちパンを作る種類、お酒を作る種類など色々に分かれるのです。

そして”マラセチア”は、犬や人の皮膚の上で増えて、時々皮膚炎を起こす種類というわけです。

人の皮膚の上でと書きましたが、人には人のマラセチアが、犬には犬のマラセチアという風に動物によって相性がありますから、お家のワンちゃんがマラセチア皮膚炎の診断をされても飼い主様に移る心配はほとんどありません。

”マラセチア”は犬の皮膚の常在菌です。常在菌というのは多くの動物が生まれた時から共存している菌で、普段は病原性を持たないものを言います。

ところがマラセチアが何らかの原因で通常以上に増殖すると、しばしば皮膚に炎症を引き起こします。
特にこの酵母菌は脂分を好むので、皮膚のコンディションが脂性に傾く脂漏症の時に急激に増殖する傾向があります。

(どんな検査をするの?)

マラセチア皮膚炎が疑われる場合、病変部の皮膚にセロハンテープやスライドグラスを押し当てて染色し、顕微鏡で観察します。細菌よりも大きいボーリングのピンのような特徴的な酵母菌がたくさん見つかればマラセチア皮膚炎と診断できます。

 

(どんな症状?)

マラセチア皮膚炎は、内股や、指の間、腋の下、後ろ肢の曲がる部分、口唇周囲など、皮膚と皮膚が擦れる部位や皺になる部位、脂が貯まる部位に発生しやすいです。皮膚が脂っぽくフケが多くなり、赤くなります。慢性化すると皮膚は分厚くなり、皺が多くなり、色素沈着で黒っぽくなります。
痒みは比較的強いです。

(どうしてなるの?)

生まれつき脂漏性の皮膚をもつ犬種(ウェスティ、シーズーや、フレンチ・ブルドッグ、パグ、ダックスフンドなど)では、体質的にマラセチア皮膚炎になりやすい傾向があります。また、アトピー性皮膚炎や食事アレルギーなどが背景にあり、皮膚のコンディションが変化して脂漏が生じると、マラセチア皮膚炎を発症しやすくなります。脂質の代謝異常(コレステロールや中性脂肪の処理がうまくいかない)の病気などでも脂漏性皮膚炎になります。

(どんな治療をするの?)

酵母菌はカビに近い真菌の仲間なので、真菌を殺す薬(抗真菌薬)を使って治します。
重症の場合は、抗真菌薬を2週間くらい内服します。その後1週間に2回などの投薬に切り替える場合もありますし、かなり良化していれば中止します。
軽度から中程度の場合は、抗真菌薬を含んだシャンプーなどで薬浴をします。ゆっくり優しく時間をかけてシャンプーして、その後にはしっかり保湿をします。

hiff cafeのトリミング室では、診察と合わせてシャンプー療法も実施しています。お家でのシャンプーが大変な子は遠慮なく頼ってください!

文責:水曜日・木曜日午前中担当獣医師:山本真紀子

ステロイド皮膚症

皆さまこんにちは。

緊急事態宣言も明け、社会が動き始めましたが、どのようにお過ごしですか?

hiff cafe tamagawaはコロナ対策を様々行いながら、病院の方は予約診療を継続して行ってます。
スタッフ皆元気でお出迎えしてます🐶

さて、今日はhiff cafeならではの、少し変わった皮膚病をご紹介したいと思います。

それは ”ステロイド皮膚症” というものです。

”ステロイド”というと皆さまどのような印象をお持ちでしょうか?
やはりあまり使いたくないなとか、怖いんじゃないか、とかありますか?

いわゆるステロイドとは体にある副腎という内臓で作られる副腎皮質ホルモンを合成して作った薬剤で、強い抗炎症作用、抗アレルギー作用を持ち、皮膚病の他様々な病気に使われているお薬です。

内服(飲み薬)で使う場合は
・糖尿病を起こしやすくなる
・尿量が増える
・太りやすくなる(食欲も亢進する)
などの副作用もあり注意して服用する必要があります。

外用(塗り薬)で使用する場合は上記の副作用はほとんど見られず、効かせたい部位にのみ効果的に働くため、当院も含め皮膚科領域では多く使用することがあります

一部で噂される「黒くなる」「癖になる」「一生全身に影響が残る」などは、誤解や使い方の悪さによるもので、通院しながら他の治療法と組み合わせて上手に用いれば非常に効果的に心配なく使用することができます。

ところが!!

「皮膚病ですか?じゃあ、これね。」

と処方されたものを漫然と多量に使い続けた場合には、
今日ご紹介する

” ステロイド皮膚症 ”

になってしまうことがあるかもしれません。

次の写真は他院で数年にわたり、1日に何回もステロイドの塗り薬を塗っていた症例です。

皮膚は薄くなり血管が透けて見えます。赤味が引かず、薄いフケが多くみられます。

皮膚は傷つきやすく、簡単な傷が治りにくいといった症状が認められます。

塗り薬を中止し、もっと優しい治療法に変更して数カ月で完治しました。

最近、ステロイドを塗って何時間か付け置きして洗い流すという治療法が一部で流行っていますが、軽い皮膚病にこの強いやり方を繰り返した場合も同じような症状になってしまうことがあります。何度か同じ治療をして上手くいかない場合は、違う原因や、違う治療法を探してみるといった工夫も大事ですね。

hiff cafeでは初期にはステロイドも使用しますが、通院していただきながら他の治療法と組み合わせ、最小用量の処方を探るお手伝いをしています。

文責;水曜日、木曜日午前中担当 山本 真紀子

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