東京都大田区田園調布1-61-10
TEL.03-6459-7555
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00-19:00 | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※月曜はカフェのテイクアウト営業のみ
休診日:月曜 ※日・祝日診療可 ※完全予約制
暑い夏のアスファルトに潜む肉球の火傷と同様、冬でも注意しなければなりません!
冬のお散歩で注意しなければならないことの一つ目は家の中と外の温度差です。
暖かい室内からいきなり外に連れ出すと体が慣れていないため、外気の寒さで気管支を痛めてしまうことがあります。
散歩前に玄関など気温の低い場所で寒さに少しずつ慣らしてあげましょう。
二つ目の注意点は肉球のしもやけです。🐾
犬は人間に比べて脚先は丈夫ですが、冷たい雪の上を歩いてるうちにしもやけになってしまう子もいます。
しもやけすると、皮剥けやひび割れ、赤みが出たりします。
しもやけの対策として、お散歩の際に靴を履かせることです。
最初は嫌がって歩こうとしないこともありますが、徐々に慣れてもらうようにしましょう。
いざ雪が降ってから慌てて靴を履かせようとしても上手くいかないことがあるため、秋口から靴を履かせて慣れる練習をしてもいいかもしれません💡
そして3つ目の注意点は雪を溶かしたり路面の凍結を防ぐために地面に撒かれる融雪剤です。
これは冬における肉球の最大の敵です‼︎
一般的な融雪剤には、塩化カルシウムが多く含まれているため、肉球は皮膚に付着すると赤く炎症を起こしたり、ただれてしまうこともあります。
このような危険な融雪剤から保護するためにも靴は必要になってきます🐾
靴を使用していない場合は、お散歩の後ぬる湯で洗うかタオルで拭き取り、しっかり乾かした後、保湿クリームでケアをしてあげましょう‼︎
また、乾燥で、ひび割れ、あかぎれにもなりやすいので肉球を保湿クリームでしっかりケアしてあげることが大切になってきます🐾
これらのように冬でもお散歩が大好きな愛犬が安心して楽しんでお散歩できるようにしっかりとケアしてあげましょう☝🏼⛄️
看護師 壁谷
こんにちは。
涼しくなって過ごしやすくなってきましたね🙂
ワンコ達もお散歩が増えて嬉しいでしょうね🐶
さて、本日はヒフカフェお得意?の慢性外耳炎による耳道閉塞の治療についてご紹介しましょう。
この子は3歳令で、他の病院で外耳炎の治療を1年近く続けていましたが、半年くらい前から徐々に悪化し、耳道が閉塞してしまって、とうとう手術しかないと言われてしまった、ということで来院されました。
お耳に入れるお薬も毎日できているし、飲み薬も毎日飲んでいるのに全然効かないというお話でした。
飼い主様としては、まだ3歳だし、手術以外の方法が何かないか?というご相談です。
実はヒフカフェでは同じようなご相談がとても多く、中にはすでに何件もの病院を巡り歩いてここへ辿り着いたという方もいらっしゃいます。
私達はヒフと耳の獣医さんとして、このような子達を手術せずに治すという仕事を多く行っています。
(診療前に)
主訴であるお耳の状態以外にも、
📍他に皮膚病はある?
📍あるとすればいつからどんな皮膚病があるのかな?
📍ノミ・マダニの予防をしてる?
📍どんなご飯やおやつを食べているの?
📍今までに、また今現在どんな治療をしてきましたか?
といった事を伺います。
(お耳の状態)
この子のお耳は重度に閉塞していて、細いカテーテルがやっと入るくらいの状態でした。
中の耳道の様子はオトスコープなどは全く入らず、観察できませんでした。
ネバネバの分泌物があり、感染(細菌や真菌など)が疑われました。
耳道の軟骨は固くなってしまって、柔軟性が失われていました。
(検査)
耳垢を採取して、病原体について詳しく検査します。
どんな細菌や真菌がいて、どんな薬が効くのか?を調べます。
この子は最初に2種類の菌が出ていて、どちらの菌にも効果のある薬が4種類見つかりました。
そのうちの1種類を選び、おうちで点耳して頂きました。また、飲み薬も選び直しました。
抗生物質の飲み薬に加えて、比較的優しい抗炎症薬を継続してもらいます。
背景にアレルギーが疑われる場合、アレルギー検査なども行います。
(通院と処置)
ネバネバした耳垢の分泌が多く細菌感染が重度と思われる場合、最初のうちは1週間に1回から2回の通院治療が必要です。少し良くなってきたら1週間に1度くらいで大丈夫です。
多分良くなるまでに半年くらいかかることをお話して治療開始です。
細菌数を減らし、炎症の元となる成分や細菌のエサになる成分を洗い流す意味で、お耳を洗浄します。ヒフカフェでは細いカテーテルと複数の洗浄液を組み合わせて優しい洗浄を行っています。
痛がったり暴れたりして十分な洗浄効果が得られない場合には鎮静をお勧めすることもあります。鎮静とは少し眠くなるお薬を注射して、安全に(暴れて耳道をよけい傷つけてしまうことも!)、犬にとっても楽な気持ちで治療を行うもので、処置が終わったら覚ます注射をして、多くの場合歩いて帰ることができます。
また、中耳炎が疑われる場合には画像専門の病院をご紹介し、MRIやCT検査を行っていただいて、慢性化の原因として中耳炎が関与しているかとか、異物や腫瘤がないかとか、耳道や鼓室の骨の状態などを確認することもあります。
外耳炎が治らない原因には、耐性菌による細菌感染、真菌(皮膚糸状菌や、酵母菌)感染、耳ダニやニキビダニなどの微生物感染、アトピー性皮膚炎や食事アレルギー、異物(毛や草の実など)、腫瘍など色々な原因があります。
この子も耐性菌(色々な抗生物質が効かなくなってしまっている菌)による慢性感染症があったようでした。
(その後の経過)
飼い主様はとても熱心に通院治療を続けてくださいました。
ゆっくり、ゆっくりと、でも確実にお耳の状態は良くなっていきました。
途中経過のお耳の中の様子です。まだ耳道は狭いものの、少しは中が観察できるようになりました。
耳道の骨まで厚く、固くなってしまっていて、スコープが奥まで入りません。ネバネバした耳垢がまだいっぱいありますね!筒状のはずの耳道がまだ腫れていて扁平になってしまっているのが分かります。
時々耳垢の様子を検査させていただきながら、必要に応じて点耳薬を変更していきます。
ここからさらに2ヶ月あまり経過し、さらに良くなってきましたよ。最初の画像と較べてください。すっかり普通のお耳になってきましたね!
ずっと気にしていた耳を全く気にしなくなりました。飼い主様が何より喜んでいただけたのは本人(犬)がとても元気になったことでした。遊ぶようになったとおっしゃっていました。
口を聞かないのであまり分からないけれど、ずっとかなり煩わしかったのですね。。
耳道もよく開いてきて、ご自宅での点耳の間隔も5日に1度程度の維持療法にまで減少することができました。
通院も、もうすぐ1ヶ月に1回の定期検診程度にできそうです。
私達も頑張りましたが、飼い主様とワンコも頑張ってくれました☀️