東京都大田区田園調布1-61-10
TEL.03-6459-7555
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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10:00-18:30 | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※月曜はカフェのテイクアウト営業のみ
休診日:月曜 ※日・祝日診療可 ※完全予約制
こんにちは。
涼しくなって過ごしやすくなってきましたね🙂
ワンコ達もお散歩が増えて嬉しいでしょうね🐶
さて、本日はヒフカフェお得意?の慢性外耳炎による耳道閉塞の治療についてご紹介しましょう。
この子は3歳令で、他の病院で外耳炎の治療を1年近く続けていましたが、半年くらい前から徐々に悪化し、耳道が閉塞してしまって、とうとう手術しかないと言われてしまった、ということで来院されました。
お耳に入れるお薬も毎日できているし、飲み薬も毎日飲んでいるのに全然効かないというお話でした。
飼い主様としては、まだ3歳だし、手術以外の方法が何かないか?というご相談です。
実はヒフカフェでは同じようなご相談がとても多く、中にはすでに何件もの病院を巡り歩いてここへ辿り着いたという方もいらっしゃいます。
私達はヒフと耳の獣医さんとして、このような子達を手術せずに治すという仕事を多く行っています。
(診療前に)
主訴であるお耳の状態以外にも、
📍他に皮膚病はある?
📍あるとすればいつからどんな皮膚病があるのかな?
📍ノミ・マダニの予防をしてる?
📍どんなご飯やおやつを食べているの?
📍今までに、また今現在どんな治療をしてきましたか?
といった事を伺います。
(お耳の状態)
この子のお耳は重度に閉塞していて、細いカテーテルがやっと入るくらいの状態でした。
中の耳道の様子はオトスコープなどは全く入らず、観察できませんでした。
ネバネバの分泌物があり、感染(細菌や真菌など)が疑われました。
耳道の軟骨は固くなってしまって、柔軟性が失われていました。
(検査)
耳垢を採取して、病原体について詳しく検査します。
どんな細菌や真菌がいて、どんな薬が効くのか?を調べます。
この子は最初に2種類の菌が出ていて、どちらの菌にも効果のある薬が4種類見つかりました。
そのうちの1種類を選び、おうちで点耳して頂きました。また、飲み薬も選び直しました。
抗生物質の飲み薬に加えて、比較的優しい抗炎症薬を継続してもらいます。
背景にアレルギーが疑われる場合、アレルギー検査なども行います。
(通院と処置)
ネバネバした耳垢の分泌が多く細菌感染が重度と思われる場合、最初のうちは1週間に1回から2回の通院治療が必要です。少し良くなってきたら1週間に1度くらいで大丈夫です。
多分良くなるまでに半年くらいかかることをお話して治療開始です。
細菌数を減らし、炎症の元となる成分や細菌のエサになる成分を洗い流す意味で、お耳を洗浄します。ヒフカフェでは細いカテーテルと複数の洗浄液を組み合わせて優しい洗浄を行っています。
痛がったり暴れたりして十分な洗浄効果が得られない場合には鎮静をお勧めすることもあります。鎮静とは少し眠くなるお薬を注射して、安全に(暴れて耳道をよけい傷つけてしまうことも!)、犬にとっても楽な気持ちで治療を行うもので、処置が終わったら覚ます注射をして、多くの場合歩いて帰ることができます。
また、中耳炎が疑われる場合には画像専門の病院をご紹介し、MRIやCT検査を行っていただいて、慢性化の原因として中耳炎が関与しているかとか、異物や腫瘤がないかとか、耳道や鼓室の骨の状態などを確認することもあります。
外耳炎が治らない原因には、耐性菌による細菌感染、真菌(皮膚糸状菌や、酵母菌)感染、耳ダニやニキビダニなどの微生物感染、アトピー性皮膚炎や食事アレルギー、異物(毛や草の実など)、腫瘍など色々な原因があります。
この子も耐性菌(色々な抗生物質が効かなくなってしまっている菌)による慢性感染症があったようでした。
(その後の経過)
飼い主様はとても熱心に通院治療を続けてくださいました。
ゆっくり、ゆっくりと、でも確実にお耳の状態は良くなっていきました。
途中経過のお耳の中の様子です。まだ耳道は狭いものの、少しは中が観察できるようになりました。
耳道の骨まで厚く、固くなってしまっていて、スコープが奥まで入りません。ネバネバした耳垢がまだいっぱいありますね!筒状のはずの耳道がまだ腫れていて扁平になってしまっているのが分かります。
時々耳垢の様子を検査させていただきながら、必要に応じて点耳薬を変更していきます。
ここからさらに2ヶ月あまり経過し、さらに良くなってきましたよ。最初の画像と較べてください。すっかり普通のお耳になってきましたね!
ずっと気にしていた耳を全く気にしなくなりました。飼い主様が何より喜んでいただけたのは本人(犬)がとても元気になったことでした。遊ぶようになったとおっしゃっていました。
口を聞かないのであまり分からないけれど、ずっとかなり煩わしかったのですね。。
耳道もよく開いてきて、ご自宅での点耳の間隔も5日に1度程度の維持療法にまで減少することができました。
通院も、もうすぐ1ヶ月に1回の定期検診程度にできそうです。
私達も頑張りましたが、飼い主様とワンコも頑張ってくれました☀️
毎月最終日曜日にプライベートパピー教室を行なっています‼︎
皮膚カフェでは12ヶ月齢までのワンちゃんネコちゃんのしつけや問題行動を先生とマンツーマンでレッスンします。
愛犬に最低限のしつけをすることは、社会生活の仲間になるためにも大切になってきます💡
また、問題行動を起こせば他人に迷惑をかけてしまいトラブルが起こることもあります。
トラブルから愛犬を守るために、パピーのころから最低限のしつけをしましょう‼︎
パピーのしつけは若い頃から始めるのが理想と言われています。
パピーの頃にしつけがちゃんとされているかどうかで、成犬になってからの振る舞いに大きな差が生まれてきます。
そのため、できるだけ早い段階でしつけを始めましょう💪🏽
しつけすることを難しいものだと判断せず、まずは名前を認識させる、やアイコンタクトといった簡単なことから始めて、飼い主さんとの信頼関係を築いていきましょう☝🏼
30分1500円~
予防や病気の話もわからないことがあればなんでもお聞きください‼︎
ご参加頂いた方にはサロン、カフェで使えるクーポンをお渡ししています🌼
10月の開催日は25日(日)です‼︎
完全予約制のため、気になる方はお電話お待ちしております👍🏽
TEL 03-6459-7558
こんにちは。まだまだ暑いですね!☀️
ワンちゃん達もサマーカットが多いです。
さて、この体の部分の毛をかなり短くしてしまうサマーカット。
秋になっても毛が伸びてこない!😧なんてことが時々あります。
これは毛の生える周期が止まってしまってしまうために起きる一種の皮膚病なのです。
よく知られているのがポメラニアンやトイプードルに多いAlopeciaXと呼ばれる病気。
Alopeciaは脱毛症という意味。
この病気がまだ十分解明されていないことからXという呼び名が付きました。
他にも偽クッシングや毛刈り後脱毛などの呼び名があります。
副腎ホルモンや性ホルモンのアンバランスが原因ではないかと考えられてきました。
また近年では栄養学的な問題が根底にあるのではないかという説も提唱されています。
📍どんな病気?
毛を刈った後伸びてこない
何となくだんだん毛が薄くなる(抜けていってしまう)
などが特徴で、発疹や痒みは通常ありません。
ポメラニアンやサモイエド、キースホンドなどの北方長毛犬種に多いですが、他のどの犬種でも発症がみられます。
最終的には顔や手足以外の毛がほとんど抜けてしまいます。
治療前の様子です😟
📍どんな検査をするの?
脱毛症には内分泌疾患(ホルモン性脱毛症)、季節性、薬物、腫瘍性などいくつもの原因が考えられますので、病歴と血液検査、超音波検査などから他の病気を除外していきます。
脱毛部位の状態を把握するために皮膚生検といって、局所麻酔で特殊な器具を使って、皮膚を少しだけ切除する病理検査(皮膚の切片を作り顕微鏡で観察する検査方法。通常、検体を送付して病理の専門家にみてもらいます。)を行う場合もあります。
📍どんな治療をするの?
栄養学的な面からの見直し、栄養学的な見地からのサプリメント、ホルモン調整剤としてのサプリメント、ビタミン剤などから治療をスタートすることが多いです。
それでも生えない場合は副腎のホルモン産生を抑制する薬剤や、性ホルモン剤などを用いる場合もあります。
不妊手術をしていないワンちゃんでは不妊手術を行うことで発毛を促せることが多くあります。
最近ではマイクロニードル(1.5mmから2.5mmの細い針が生えたブラシのような器具)を用いて鎮静下で処置することが有効だったという報告がいくつかあり、ヒフカフェでも導入を開始しました。
治療後の様子です😀
🌻またヒフカフェのトリミングで使っているウルトラファインバブルの炭酸水薬浴も毛穴の洗浄効果と血行を良くする効果が期待できるので、併用をお薦めしています!
文責:水曜日・木曜日午前中担当;山本真紀子