
東京都大田区田園調布1-61-10
TEL.03-6459-7555
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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| 10:00-18:30 | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※月曜はカフェのテイクアウト営業のみ
休診日:月曜 ※日・祝日診療可 ※完全予約制
トイ・プードルは非常に活発でジャンプや走ることが大好きですが、その細い足には大きな負担がかかりやすい構造をしています。
・膝蓋骨脱臼症(パテラ)
トイ・プードルで最も頻繁に見られるのは「膝蓋骨脱臼症」です。後ろ足の膝のお皿が外れてしまう状態を指します。
【グレード1】初期のサイン:時々足を浮かせる
・指で押すと膝のお皿が外れますが、すぐに自然と元の位置に戻ります。
【グレード2】進行の兆候:スキップが増える
・膝を曲げた際に膝のお皿が外れ、手で戻さないと戻らないこともあります。
【グレード3】慢性的な脱臼:内股歩きに
・膝のお皿が常に外れた状態にな•り、手で戻してもすぐにまた外れてしまいます。
【グレード4】重度の状態:歩行困難
・膝のお皿が常に外れており、手で戻すこともできません。骨の変形も進んでいる状態です。
※予防対策としては、フローリングに滑り止めのマットを敷く、ソファやベッドへの上り下りにスロープを設置する、そして適切な体重管理で膝への負担を減らすことが極めて重要です。
・骨折
トイ・プードルの前足の骨(橈骨・尺骨)は、割り箸ほどの細さしかないこともあります。そのため、「ソファから飛び降りた」「抱っこから滑り落ちた」といった、人間から見れば些細な衝撃でも簡単に骨折してしまいます。特に成長期の仔犬は骨が未発達なため、細心の注意が必要です。
トイ・プードルの特徴である「カールした被毛」と「垂れ耳」は、トラブルの火種にもなりやすい部分です。
・外耳炎
垂れ耳で耳の中にも毛が密集しているトイ・プードルは、耳の中の通気性が悪く、湿気がこもりやすい傾向にあり、細菌やマラセチアが繁殖し、外耳炎を引き起こすことがあります。「耳を頻繁に振る」「耳を壁や床にこすりつける」「耳から独特のニオイがする」といった兆候があれば、早めに受診しましょう。アレルギー体質も多い犬種なので外耳炎は要注意です!!
・進行性網膜萎縮症(PRA)
トイ・プードルで注意したい遺伝性疾患の一つが「進行性網膜萎縮症(PRA)」です。これは網膜が徐々に萎縮し、最終的には失明に至る病気です。初期症状として「夜盲症(暗い場所で見えにくくなる)」が現れます。「夜の散歩を嫌がるようになった」「暗い部屋で家具にぶつかる」といった変化は、単なる老化ではなく、この病気のサインかもしれません。残念ながら現在の獣医療では完治させる治療法はありませんが、早期に発見し、サプリメントなどで進行を遅らせたり、環境を整えてあげたりすることが可能です。
年齢を重ねるにつれて、ホルモンバランスの乱れや内臓のトラブルも増えてきます。
・クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
副腎から「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌される病気です。7歳以上のシニア期に多く見られます。
•多飲多尿: 水を飲む量が増え、おしっこの回数や量も増える。
•食欲の異常な増加: いつも以上にご飯を催促する。
•皮膚の変化: 毛が薄くなる、皮膚が薄くなって血管が透けて見える。
•お腹の膨らみ: 筋肉が落ちてお腹だけがポッコリと出てくる。
これらの症状は「年を取ったせいかな?」と見過ごされがちですが、放置すると糖尿病や感染症などの合併症を引き起こすため、血液検査による早期発見が欠かせません。
・気管虚脱
空気を送る「気管」が潰れてしまい、呼吸が苦しくなる病気です。興奮したときや水を飲んだときに「ガチョウの鳴き声」のような「カッカッ」という乾いた咳をするのが特徴です。
肥満は症状を悪化させる最大の要因です。また、首輪による圧迫も気管に負担をかけるため、お散歩の際はハーネス(胴輪)を使用することをお勧めします。
トイ・プードルは非常に我慢強い性格の子が多く、痛みや違和感を隠してしまうことがあります。だからこそ、一番近くにいる飼い主様の「観察眼」が最大の武器になります。
毎日のスキンシップを通じて、撫でながら体に「しこり」がないか、触ると嫌がる場所がないかを確認しましょう。また、散歩中や家の中で、歩き方に違和感(スキップ、足を引きずるなど)がないか、後ろから観察する習慣をつけることも大切です。さらに、定期的な健康診断は非常に重要です。1歳を過ぎたら年に1回、シニア期(7歳〜)に入ったら半年に1回の健康診断を推奨します。血液検査だけでなく、レントゲンやエコー検査を組み合わせることで、外見からは分からない異常を早期に見つけることができます。何よりも「いつもと違う」という直感を大切にすることが、早期発見に繋がります。
トイ・プードルに多い病気を知ることは、決して「怖がること」ではありません。むしろ、リスクを正しく理解することで、適切な予防策を講じ、異変にいち早く気づいてあげられるようになります。
「いつもと何かが違う」「なんとなく元気がない」という飼い主様の直感は、時に高度な検査機器よりも正確です。少しでも気になることがあれば、「これくらいで病院に行くのは……」とためらわずに、お気軽にご相談ください。
皮膚・耳専門 ヒフカフェ動物病院
獣医師 小林真也